努力

日曜日の夕下がりなのでメモ書き程度。

なにがしかの努力をした自治体が報われる仕組みというのは、今に始まったことではありません。

たとえば、事業費補正。
当初は、港湾費や河川費などの、外部性がある費目に事業費補正がついていました。まあ、考えてみればあたりまえのことで、港湾建設にしても河川改修にしても、その地域の自治体だけが恩恵を受けるわけではないので、恩恵をうける地域からの財源拠出でもって事業費をまかなうのはもっともなこと。
こうして、がんばった自治体の努力が報われる制度がはじまったわけです。資源の最適配分ということでは過大供給になってしまったわけですが。
それを80年代に、地域総合整備事業債・一般分として拡充しました。一般分というのは、広域市町村圏での事業計画にのったものを事業費補正の対象にすること。たしかに外部性ではありますが、隣の市から財政移転すればいいのに、それを全国的な仕組みにのせたために、過大供給になったかもしれません。もっとも、自治省のところでかなり縛りをきつくしたので、一般分の起債の金額は、それほど多くはありませんし、ベレー帽おじさまが頑張っていらっしゃったので、過疎地域の中山間地域にあつく配分するような傾向もあったようです(そういう地域では、単価は億円単位にもいかないはなしですし、そのような自治体は、過疎債や構造改善事業を、まず充当するわけですが)。

それが、90年代前半、地域総合整備事業債・特別分として拡充されます。まちづくり事業、ふるさとづくり事業ということで、外部性の想定がされにくい事業も事業費補正の対象となりました。都市農村交流という名目の温泉施設はまだしも、ゲートボール場の整備なんかも行われました。「特別分」と、これはイレギュラーなんだよと名付けたところに、自治省官僚の矜持がうかがえます。
この制度が、90年代後半に、どんどん拡大されていきます。年間兆円単位の地総債特別分が実施され、バブル後の景気対策補正予算債ともあいまって、何兆円単位の事業が転がされます。臨道も、私も入れてとやってきます。過大供給かどうかなど実証するまでもありません。ゲートボール場なんて100万円単位の事業でかわいいものですが、こうした事業は億円単位の事業となりました。ですので、実施した自治体も、けっこう都市部の自治体が展開していくようになりました。

「頑張った自治体が報われる」制度は、わたくしは今でもありだと思いますが、都市部は自分で頑張ってよ、と考えております。

台風2

Dr_G2014-10-14

被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。


駆け抜けた感があるが、「列島縦断」にちょっと違和感。
南北の経度の線を横切っているから横断だと思う。
日本横断だと、太平洋から日本海(またはその逆)に抜ける感はわかる。
縦に長いのを縦方向に切るのは縦断といいたくなるが、「アメリカ横断」なわけで。