基準財政需要額のどこが減ったのか

ひさしぶりの更新なので、ちとまじめなことを。

先月の普通交付税大綱の資料を見ていると、財源不足団体についての基準財政需要額と基準財政収入額についての表があった。
基準財政需要額が、都道府県分も市町村分でもやはり減っていた。地域雇用創出推進費が別枠で5000億円(地財計画)増えているので交付総額はほぼ据え置かれているので(実はマイナス)、不況による税収減少=基準財政収入額減少分、基準財政需要額を減らしたことになる。
都道府県分については、臨時財政対策債をのぞく基準財政需要額は、前年比6.9%減少の17兆8858億円なので、逆算すると1兆3260億円程度となって、これは、基準財政収入額(前年比13.5%減の9兆8075億円)の減少額1兆5000億円とほぼ見合うものとなっている。
このところ、基準財政需要額の算定根拠は、地方財政計画で決められた地方交付税額と地方税収入見込みにあうように、決められるという論があるが、計数だけみると納得するものがある。
でも、「電話帳」(地方交付税制度解説)を見ても詳細な積み上げで行われているはずのものなのだし、総務省としても、ナショナルミニマムなりナショナルスタンダードなりと主張してきたものである。税収入が減りそうだといって、基準財政需要額を引き下げているのだとしたら、矛盾が生じる。

そこで調べてみること。
1、基準財政需要額の各項目の比較(年末にでる『地方交付税関係計数資料』を待つしかない)
2、税収と基準財政需要額がリンクしているのであれば、今回のようなケースでは、都道府県税の減少は、法人事業税等の減少によるものだろうから、かなり偏りがあるだろう。基準財政需要のところで、人口割のものとは別に都市的需要、法人向け需要はあるわけで、そうしたところで減じたのかどうか。
3、都道府県分の単位費用は今回減ったのかを思い出す。制度改編(たとえば義務教)があったのかもしれない。
4、補正係数を操作した可能性。
5、いずにせよ、1兆円単位で税収がへった、都道府県財政の今後が注目される。都道府県の仕事ができなくなりそうで、道州制以前に、都道府県が解体しかねない。