社会保障関係の地方単独事業

いささか旧聞だが、総務省が夏前から行っていた、「社会保障関係の地方単独事業」の集計がまとまり、発表された。総計6.2兆円だそうだ。気になったところを4点ほど。
1.職員分の子ども手当や投資的経費を除外するのは、まあそうなのだろう。義務教育就学後の乳幼児医療費助成や、敬老祝金の除外はなぜ。「批判」が強まるからか。積立金はともかく、母子家庭や障害児・者への貸付金などもけっこうあるよね。あと、公害関係は、公害健康被害補償なんだろうけれど、単独事業って多いのだろうか。
もっとも、厚労省集計の「社会保障給付費」に含まれる単独給付は、けっこうあるように思う。
2.6.2兆円という総計や実態も知りたいところなのだが、問題は、地方財政計画として見積もっていた単独事業(社会保障系統)との乖離のはずで、1で除外された社会保障給付費とあわせたものが、地方財政計画を上回っているだろうと思うのだけれど、それはいかほど? かつて投資的経費を「流用」していたことが問題になり「是正」は行われたが(一般財源を「流用」するのはrんり矛盾ですけれどもね)、まだあるだろうし、地方の町村などで人件費を「流用」して社会保障に充てているわけで。
3.乳幼児医療費助成(義務教育就学前分)が、2101億円あるが、うち都道府県分が682億円ある。これって、直接住民に給付されているのではなく、県単補助として市町村に補助されているものではないだろうか。
4.就労促進588億円、貧困・格差対策2381億円が集計されていて、社会保障のそもそもとしての生活水準維持を考えておこうという趣旨は大賛成なのだが、地域おこし協力隊(これは補助事業だっけ)をはじめ直接雇用を含めるべきと思う。集計は難しいけれどもね。
霞が関は縦割りでかまわないんだろうけど、地域の事務を総合的に行っている地方自治体の、とりわけ単独事業は、国の省庁の枠の隙間や枠組みをつないでいる事業が多いのですから(このあたり、前にも書いた。http://d.hatena.ne.jp/Dr_G/20110614/p2)。