一括交付金は自主財源なのか その2

一括交付金は自主財源なのか(http://d.hatena.ne.jp/Dr_G/20090929/p1)の続き。
民主党のマニュフェストの読み方を、こう読んだ。
○ 国の「ひもつき補助金社会保障・義務教育関係は除く)は廃止し、税源移譲として、地方の自主財源に転換します。(新a)
○ 国から地方への「ひもつき補助金」を廃止し、義務教育・社会保障の必要額は確保したうえで、基本的に地方が自由に使える「一括交付金」として交付する。(新b)

で、新aにおいて、社会保障・義務教育関係を除いた「ひもつき補助金」って、そのほとんどが公共事業関係になる。経産省農水省補助金はけっこう三位一体改革で露と消えている。
公共事業関係の補助金を、地方の自主財源に転換するということなので、問題は、「転換」って何か? ということ。
マニュフェスト2005では「現在の約20兆円の補助金のうち、国が責任を持つべき事業(生活保護など)に係わる補助金以外の約18兆円を原則廃止し、3年以内に税源移譲(5.5兆円)や一括交付金(12.5兆円)に改めます」だったから、税源移譲ではない(と思う。このあたり、過去官僚の方がマニュフェスト作成に関与しているだろうから、霞ヶ関修辞法で読めばいいはず)。
また、公共事業向けの補助金は、圧倒的に「地方」だろうから、所得税法人税の移譲では、「地方」は必要額を捻出できず、反乱がおきそう。もっとも、公共事業は受益者の多い都市部でしかやんないよ、という「転換」もありうる(A)。
で、5兆円も純増として捻出しなければならないとすると、公共事業は誰かに受益があるので、分担金・負担金を大増徴するという手もある(B)が、もうひとつ「地方消費税」がある。現在の消費税は、国税4%、地方消費税1%で、今年度の予算規模でいうと、国税10兆円、地方消費税2.5兆円。必要額5兆円だとすると、地方消費税を2%アップすればよい(C)。国税消費税の地方交付税に配分する部分(29.5%の約3兆円)の廃止を、この際同時に行うと、少し計数があわないが、地方消費税4%にして、国税地方消費税=1:1が実現することになる(D)。

まあ、(A)は、財務省は、地方向け公共事業補助金建設国債でまかなっている、と言い続けているので、補助金を減らした分を税源移譲することに合意するわけはないので、まずありえないだろう。(C)は、国税4%、地方消費税3%、合計7%って、何か半端なので、これもありえないだろう。
(B)か(D)の一騎打ちということで、7:3で(D)になる可能性が大きいと考えた。