10年後の8月

でも会えなかったのよね。どの空見ているの? とか、このきれいな花火を見せたかったのだから。
そこで、疑問。この2人はこの10年、音信不通だったのだろうか。彼は約束を忘れていたのだろうか。違うと思う。

僕は、なりたい自分をいくつも思い描きながらその都度ひざを抱えてた。もう少し僕に勇気があればいいのにと、手紙にして送り続けていた。彼は、そんな自分をいつも励ましてくれていた。夢は信じて胸に刻んでいると輝き続けるから。それを信じて努力しようよ。

10年たったいま、僕は夢を実現しつつあるのだろう。そして誰よりも君にみてほしい、今の僕を。でも彼は?

夢を描いては実現できず、カケラになって散っていく。そんな僕を、ずっと励ましてくれていた彼。おそらく彼は彼の夢を実現していたのか、もうすこしで手にいれるところだったのだろうか。そこにおそったショッキングなできごと。僕を励まし続けてくれた、強かったはずの彼が、「一緒にいたかった」と一人で泣いてしまうような出来事が。僕にできることはないのか? と書いた手紙に、涙のあとをつけつつも、一人にしておいてほしい、と、返送せざるをえなかったほどの出来事が。

彼女らの復活のメッセージがここにある。
震災で傷をおった人に、私たちが歌うことで励ましができれば、と思い復活することにしました。
ほんとは震災ではないのかもしれない。途中まではいっしょの夢を見て、自分の夢を大事にしようと去っていったマイナスoneのあの人へのメッセージなのだ。