住宅供給公社の破たん

たまにはまじめなことを書いてみる。
神戸市住宅供給公社(http://www.kobe-jk.or.jp/)の破たん(民事再生手続きの開始)が明るみにでた。
分譲地の評価損と、震災復興の特優賃が、足をひっぱったとされる。

まず後者は、公社の責任ではないだろう。たとえば、地主から20年で借り受けたときの契約借賃は一定で、周辺家賃の下落から居住者がいなくなるのを防ぐため家賃値下げで対抗すればいいものをなにがしかの理由でできないのであれば、それは制度的な欠陥。それとも、家賃値下げで対抗しても勝負にならない地理的な環境だったのだろうかな。復興を理由に家賃の差額補てんを設定していて、それが時限的に失効したのなら、それもまた別の話。

あと前者。評価損とはざっきりいうと、取得価格>現時点での評価なので、地価が下がったこととともに、当時の取得価格が問題のばず。
土地開発公社等をめぐる「塩つけ土地」でも、取得価格がなにがしかの理由で高めに設定されていたり、「不必要な土地」を買っていたことなどが指摘されている。政治的な癒着も問題だが、高値で売りぬけた奴がいるわけだ。そこで、神戸市住宅供給公社に土地を売ったのは誰かという話になる。そこでは必ず、開発原価(造成にかかったお金、営業経費なんてのも含めてもいいかもしれない)<売値、なわけだから、その差額が通常(って何かはちょっとおいておこう)の利益なのかどうか。ふつうは、この売値(公社にとっては買値)って、バブルという時期からも、周辺時価にあわせて高値だっただろうねえ。