がんばれ、受験生

この季節になると思いだすエピソードをひとつ。
朝いちで訪問することになって、駅からそちらに歩いていたわけです。受験シーズンですから、駅は受験生でごったがえしていました(その駅は大学の最寄り駅だった)。
で、大学=駅=訪問先という位置関係だったのですが、訪問先に行く途中に、今にも泣きそうな顔の受験生(女)が一人(当時は、制服で受験したものです。年がわかるね)。
「どうした?」と声をかける(当時は、声をかけても、誘拐には間違われなかった)。
彼女、いきなり背広のお兄さん(若かったからね)から声かけられてビックリして声もでない。
「受験生? 道間違えたのと違う? どっちのキャンパスが受験会場?」と聞いても要領をえない。
実は、駅が真ん中で、訪問先が2時の方向だとすると、大学は2つのキャンパスに別れていて、11時の方向と7時の方向にある。受験票をださせて、11時のキャンパスであることを確認。
駅にもどって他の受験生にまじって歩くと7時のキャンパスにいきそうな気がしたもので、ちょうど通りかかったタクシーを停めてあげました。
「運転手さん、この娘、受験生。11時キャンパスまで送ってやって」と1000円札を渡す。
受験生「いえ、困ります」
私「一足早い合格祝だよ。そのために、ひとつアドバイスをしよう。教室に入る前には深呼吸2回。そして入ったら『キャンパス間違えちゃいました』と恥ずかしからずに叫ぶこと。笑われるだろうけど、それで、あなたはリラックスできるから」。
ちょっとつまづいても、そんなことくらいで焦らない。焦れば焦るほど実力はでないのだから。